二月:如月 | 梅 VS 桜 春を代表するのはどちら

かつては梅が格上だった

春の訪れを感じる花といえば、梅。桜よりも早くに開花し、まだ寒さの残る小春日和にふくよかな香りを放ちます。

菅原道真が愛した花としても知られ、古来から日本で愛されてるイメージですが、実は中国から伝来した外来種。日本書紀には桃や桜は登場しますが、梅は描かれていないことからも、梅が日本で咲くようになったのはその後のことで、8世紀頃に輸入されたようです。

桜は野生で育つ山桜がある一方で、梅は人が丹精込めて栽培する高級品で、庶民が育てることのできるものではなかったのでしょう。万葉集では梅は桜の約3倍もの歌に詠まれており、貴人たちに愛されたことがよく分かります。

そうしたことからも、梅は桜より尊ばれ、春の花といえば桜より梅が人気だったのです。しかし、その後に編纂された古今和歌集では、梅よりも桜の歌が多くなり形勢が逆転。その人気は現在も変わっていないようです。


菅原道真の梅の歌。<あこ>とは道真の幼名・阿呼をさし、5歳の時に紅梅を見て詠んだものと伝えられており、子供の頃から梅好きだったよう。

菅原道真が愛した伝説の梅

京都には有名な梅苑がありますが、中でも衣笠キャンパスの近くにある北野天満宮のものは、通常2月上旬から公開、2月25日には梅花祭と野点大茶湯も開催され、一度は足を運びたい場所です。白、紅、ピンクと色とりどりの梅は、一重や八重など約50種類、1500本も植えられており圧巻。

菅原道真が左大臣・藤原時平によって大宰府に左遷されるとき、邸内の梅の木に「こち吹かば 匂い起こせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」と梅に別れを告げると、その梅の木が都から太宰府天満宮に飛んだという伝説があり、それと同種の物が本殿前にある<紅和塊梅(べにわんこばい)>だと言われ、樹齢約400年のご神木です。境内の早咲きの梅は正月から咲き始めるといい、3月後半まで長く愛でることができるのも楽しみの一つ。

花が終わり実をつけると、6月上旬から採取を行い、樽で塩漬けにします。その後、土用干しを行い大福茶に入れる<大福梅>(2017年12月:大福茶)として12月13日の事初めから授与されます。

本殿に向かって左手に見えるのが、枝にいっぱいの花芽をつけた紅和塊梅(べにわんこばい)。境内には梅の木は、蝋梅などがいち早く咲き始める。

【参考】 北野天満宮 http://www.kitanotenmangu.or.jp